1/真我.
1、
おお、師よ
どうすれば、無執着、智慧、自由を見いだせるでしょう.
どうか教えて下さい!
2、
わが子よ
もし自由になりたいのなら、
感覚の齎す毒を避けなさい。
真理と愛と許し.
純真さと至福の甘露を,見いだしなさい、
3、
土、火、水、風、空-
あなたはそれらではない.
もし自由になりたいのなら、
あなたはこれら全てを観照する真我。
覚醒のハートだという事を知りなさい。
4、
身体のことは忘れ、
あなた自身の気づきの内にとどまりなさい。
たちまち、貴方は幸せになるだろう。
永遠に安らかに
永遠に自由に。
5、
あなたには.どんな階級もない。
どんな義務も.あなたを束縛することはない。
あなたはかたちをもたず、自由で、
感覚では捉えきれない
すべてのものごとの観照者だ。
だから幸せでありなさい!
6、
正や不正,
喜びや悲しみ,
これらは.たんに心が、生み出すもの。
それらは.あなたではない,
貴方は遍く存在し,
永遠に自由だ。
7、
あなたは永遠に自由な,
すべてのものごとを見守るただひとりの観照者。
だがもし、自分自身を分離した存在と見なすなら
そのとき、貴方は束縛されている。
8、
「私はこれをする。私はあれをする」
利己主義の黒い大蛇が,
あなたに噛みついたのだ!
9、
貴方は一なるもの,
純粋な気づきだ,
それを知りなさい,
この確信の炎で,無知の森林を焼き尽くしなさい。
悲しみから貴方自身を解き放ち,
幸せでありなさい!
10、
幸せでありなさい!
貴方は歓喜、限りない歓喜だ!
あなたは気づきそのもの.
ロープを蛇と見間違うように,
あなたは世界を見間違えたのだ。
11、
もし自分は自由だと考えるなら,
貴方は自由だ。
もし束縛されていると考えるなら.
貴方は束縛されている。
なぜなら、いにしえのことばにあるとおり,
あなたは自分が,思うようになるからだ。
12、
真我は世界のように見える.
だが、それはただの幻。
真我は,あまねく存在している。
ひとつであり,
静かで,
自由で,
完全だ,
行為も執着も欲望もなく,
全ての物事を見守る観照者.
気づきなのだ。
13、
真我に瞑想しなさい。
二のない、一なるもの.
崇高な気づき。
分離した自己と言う,
幻想を棄てさりなさい。
私はあれやこれだ,
内側や外側だという,
感覚を手放しなさい。
14、
わが子よ、
自分は,身体だと考えるために,
貴方は,長い間束縛されてきた。
あなたは,純粋な気づきだと知りなさい。
この知識を貴方の剣として,
鎖を断ち切るのだ。
そして幸せでありなさい!
15、
行為もなく、欠点もなく,
光り輝くあなたは,
既に自由だ。
ただ瞑想を修練にするために、
束縛されてしまうのだ。
16、
あなたの本性は,純粋な気づき。
あなたは,すべての中に流れ
すべてが貴方の中に流れている。
ただ気づきなさい,
狭き心に!
17、
あなたは常に不変で,
限りがなく、自由であり,
穏やかで、かき乱されない。
計り知ることのできない気づきだ。
ただ自己の気づきだけを求めなさい。
18、
何であれ形有るものは偽りだ。
形ないものだけが在り続ける。
この教えの真理を,ひとたび理解すれば
再び生まれ変わることはない。
19、
身体の内側にも外側にも
神は限りなく存在している。
鏡の様に
そして鏡に映るイメージのように。
20、
空気が遍く存在し
壺の周りを流れ
またそれを満たしているように。
神は遍く存在し
すべてを満たし
すべてを通じて永遠に流れている。
2/気づき。
1、
昨日まで
私は夢まぼろしの中を
彷徨っていた、
だが、私は今日、目覚めた。
非の打ち所なく、静かに。
世界を超えて。
2、
身体と世界は
私の火から立ち現れる。
すべては,私のものであり
何一つ,私のものではない。
3、
身体と世界を手放した今、
私は特別な贈り物を受けとる。
私は,無限の真我を見る。
4、
逆巻き、泡だつ波が
ただの水でしかないように。
真我から現れ出る、
森羅万象も、
すべて真我でしかない。
5、
一枚の布きれを見てみなさい。
それは只の糸でしかない!
同じように、森羅万象も
間近に見れば
真我でしかない!
6、
サトウキビの絞り汁の中の
砂糖のように、
私は,私が創造したすべての中にある。
甘味なのだ。
7、
真我が知られないとき
世界は現れる。
真我が知られれば、
世界は現れない。
だが、貴方はロープを蛇と
見間違えたのだ。
ロープと分かれば
蛇は消えさる。
8、
私の本性は光
光以外の何ものでもない。
世界が現れるとき
ただ私だけが輝く。
9、
世界が,私の中に現れるとき
それは,ただの幻に過ぎない。
水面にきらめく日の光や
真珠貝の銀の縞模様。
ロープを蛇と,見間違えるときのように。
10、
世界は私から現れだし,
私の中へと溶け去る。
溶かされた金の腕輪や,
砕けて土塊となった壺や,
静まり海に戻った波のように。
11、
私は私自身を讃える,
なんと私は,素晴らしいのだろう!
私は,決して死なない。
ブラフマー神から草の葉にいたるまで。
全世界が消え去ろうとも
私は此処に在る続ける。
12、
何と素晴らしい!
私は,私自身を讃える。
姿形を得たにもかかわらず
私は,一なるものとしてとどまる。
来ることもなく、去ることもない
しかも,すべてに遍在している。
13、
なんと素晴らしいのだろう,
なんと私の力は偉大なのだろう!
姿形はなくとも
時の果てるまで,
私は,宇宙を維持し続ける。
14、
なんと素晴らしい!
何一つ私のものはない。
しかも、なんであれ、思ったことや語られたことは,
すべて私のものなのだ。
15、
私は,知るものではなく
知られるものでもなく,
知ることでも無い。
これら三つは実在しない,
ただ本来の自己を知らないから,
そう思えるだけ
私は完全無欠なのだ。
16、
一から二が生まれる!
これが苦しみの根源だ
私は二のない一なるもの,
純粋な気づき、純粋な歓喜だ,
全世界は仮の姿でしかない,
ただ、それだけを悟りなさい,
それ以外に救われる道はない!
17,
無知故に,
かって私は,束縛されていると思い込んでいた,
だが、私は純粋な気づき
すべての区別を超え,
永久の瞑想に生きる,
18,
私には束縛も解放もない,
夢まぼろしは消え失せた!
すべては根拠のないことだったのだ,
森羅万象は,
私の内に在りながら,
何のよりどころも持たない,
19,
身体は無,
世界は無だ,
これを完全に理解するとき,
どうして,それらを想像から生み出し続けることが出来よう?
何故なら真我は,
純粋な気づきに他ならないのだから,
20,
身体とその恐れ,
天国と地獄、自由と束縛,
すべては,ただの作り話。
気づきそのものである私に,
何の関わりがあるというのか?
21,
私は,一なるものだけをみる,
人混みに,
無人の地に,
ならば、一体何に私が執着するというのか?
22,
私は身体ではなく,
身体は私のものではない。
私は,分割されない気づきそのもの,
ただ生きる事への渇望に,
縛り付けられていただけ,
23,
私は果てしない海,
想念が沸き上がると,
意識の風が,幾千もの世界という波を起こす,
24,
だが、風が止むと,
商人は,船とともに、全世界を巻き添えにして,
私という存在の底知れぬ海の中に沈みゆく,
25,
だが、ああ、何と素晴らしい!
私は計り知れない深淵,
すべての生きとし生けるものは,
私の中にひとりでに現れ,
互いに戯れあい、衝突し合い,
そして消えてゆく,
3/智慧、
1,
あなたは,真我が本来一つで,
限りないものだと,
知っている,
あなたは真我を知り,
それゆえ、安らかなのだ,
それなのに、何故まだ富を望のか?
2,
無知故に,
あなたが,真珠貝の中に銀を見るとき,
強欲が沸き起こる,
真我に,無知なために,
感覚が渦巻く世界にたいして,
欲望が沸き起こる,
3,
大海の波のように,
その中で世界が沸き起こっては,静まりかえるそれ,
それが,あなた自身だと知りながら,
何故,惨めにうろつき廻るのか,
4、
聞,かなかったのだろうか?
貴方は,純粋な気づきだ,
しかも,貴方の美しさにはかぎりがない!
それなのに、何故煩悩に身を焦がすのか?
5,
賢い人は,
すべてが,彼自身の中に在り,
彼自身が,すべての中に在ることを知っている,
それにも拘わらず、何と奇妙なことだろう!
彼は未だにこういう-「これは私のもの」と,
6,
自由になろうと決意して,
彼はすべてを超越し,
一なるものとしてとどまる,
それにもかかわらず、なんと奇妙なことか!
彼は,情熱に溺れて力を失い,
性欲に,飲み込まれてしまった,
7,
年老いて、衰弱しながら,
彼はまだ欲深い,
性欲が覚醒の敵だと,
はっきり知りながら,
なんと奇妙なことか!
8,
彼は自由を求める・・・
この世も,
あの世も気に掛けず,
何が儚く,
何が永遠かを知っている,
それなのに、何と奇妙なことか!
彼は,まだ自由を恐れている!
9,
だが、真に智慧ある人は,
いつも,至高の真我を見る,
褒められても、喜ばず,
軽蔑されても、怒りもしない,
10,
澄んだハートで,
彼は自分自身の行為を,
他者の行為のように見守る,
どうして,賞賛や非難が,
彼を,かき乱されるというのだろう?
11,
澄み切った揺るぎない洞察で,
彼は,この世界を幻として眺め,
もはや、惑わされることもない,
どうして,彼が死を恐れることがあろう!
12,
純粋なハートから,
絶望の中でさえ,
彼は何も望まない,
彼は真我の知識で,
満ち足りている,
彼に並ぶものがどこにいるだろう?
13,
澄みきった揺るぎない洞察で,
彼は見るものすべてが,
本来無だと知っている,
どうして,彼に選り好みが出来よう?
14,
彼は,すべての二元性を超えた,
欲から解放され,
心の中から,
世界への情熱を消し去った,
喜びや悲しみ,
何が起ころうと,
彼が揺らぐとことはない,
4/真の探求者,
1,
智慧あるひとは真我を知って,
人生というゲームを楽しむ、
だが愚かなものは、
重荷を背負う驢馬のように、
この世を生きる。
2、
真の探求者は、
インドラや,神々にさえ手の届かない、
崇高な境地にあっても、
得意がることはない。
3,
彼は,ものごとの本性を知っている。
彼のハートは,
正邪の区別に穢されない。
空が煙に汚される事のないように。
4,
彼のハートは純粋、
彼は全世界が、ただただ真我であることを知っている。
だから、彼が望み通りにすることを,
誰が止められよう?
5,
ブラフマー神から草の葉に至る,
四種類の生き物のなかでも,
ただ賢者だけが,
欲望と嫌悪を捨て去る力を持っている。
6.
何と彼は希有な存在だろう!
自分が真我であることを知り
ものごとが起こるに任せて行為する。
そして、けっして恐れを知らない。
彼は自分が,
二のない、一なるもの、
全創造物の主である真我だ,と知っているのだ。
5/溶け去る.
1.
あなたは,
何にも汚される事のないほどに,
純粋だ、
いったい何を放棄するというのか?
見も心も、
すべて明け渡して、
あなた自身を溶かし去りなさい。
2.
海の泡のように,
全世界はあなたの内に沸き起こる。
あなたは真我だ。
あなたは一つだ。
あなた自身を溶かし去りなさい。
3.
あなたは世界を見る、
だが、ロープを蛇と見間違うように、
本当は、世界は存在しないのだ。
あなたは,純粋だ。
あなた自身を,溶かし去りなさい。
4.
喜びや悲しみ,
希望や絶望、
生や死を通り抜けようと,
あなたは変わることのない一なるもの。
あなたは既にみたされているのだ。
あなた自身を溶かし去りなさい。
6/知識、
1.
私は果てしない空間、
世界は土で出来た壺、
これが真理だ。
何も受け容れることもない。
何も拒むこともない。
何も消し去ることもない。
2.
私は海、
全世界は波。
これが真理だ。
何にもしがみつくこともなく
何を明け渡すこともない。
何を消し去ることもない。
3.
私は真珠貝、
世界は銀の縞模様、
すべては幻!!
これが真理だ。
何を掴む物は無く
何を拒むこともない
何を消し去ることもない。
4、
私は,生きとし生けるものの中に存在し、
生きとし生けるものは,私の中に存在する。
これが真理だ。
何を受け容れることもなければ、
何を手放すこともない。
何を消し去ることもない。
7/果てしない海.
1,
私は果てしない海,
世界という船に,
あちらこちらから
風が吹き付ける。
だが私は、揺るがない。
2.
私は計り知れない深淵、
その中で世界と言う波が、
現れては消え去る。
だが、私は顕れも消え去りもしない。
3.
私は無限の深み、
その中に
あらゆる世界が生み出でる。
すべての形を超え、
永遠に静かだ。
それでも、私は在る。
4.
私はこの世界の中にはいない。
世界は私の中にはない。
私は純粋。
私は無限。
執着から解き放たれ,
欲望から自由な,
静寂。
それでも、私は在る。
5.
なんと素晴らしい!
私は気づきそのもの、
それ以外の何ものでもない。
世界はマジックショー!
だが、私には、
何一つ受け容れる物は無く
何一つ手放すものも無い。
8/心.
1.
心は
これをほしがったり,
あれを嫌ったり,
これにしがみついたかと思えば、
あれをはねつけたりする。
いま、起こったかと思えば、
すぐ喜んだりする。
こうして、あなたは束縛されるのだ。
2.
だが、心が何も望まず、
何も拒まないとき、
喜ぶこともなく、
怒ることもないとき、
何も好まず、
何も嫌わないとき、
その時、貴方は自由だ。
3.
何であれ、
心が知覚するものに魅せられたとき、
あなたは束縛されている。
何ものにも魅せられることがなければ、
貴方は自由だ。
4.
「私」がなければ
貴方は自由だ。
「私」がある時、
貴方は束縛されている。
このことを見極めなさい。
それは容易い。
なににも,しがみいついてはならない。
何にも拒んではならない。
9/無執着.
1,
こちらは見て,
あちらは無視する。
ひとつのことを,
別のことに対立させる。
こういうことから自由な人はいるのだろうか?
何時になったら、それから自由になれるのだろう。
よく考えてみなさい。
情に流されず。
執着されず。
手放しなさい。
2.
わが子よ、
人間の有様を観察し,
快楽と知識への欲望。
そして人生そのものへの欲望を,
放棄した人は稀だ。
彼は祝福されたのだ。
3.
何一つ存続しない。
何一つ実在ではない。
すべては苦しみ,
果てしのない三重苦だ!
全く何の価値もない。
これを知りなさい。
すべてを諦めなさい、
そして静かに在りなさい。
4.
人間はいったい、何時になったら
ひとつのことを別のことに対立させるのを止めるのか?
あらゆる対立を捨て去りなさい。
何が起ころうとも幸せで在りなさい。
そして、あなた自身を満たしなさい。
5,
師や聖者達や探求者たち,
彼らはみな違ったことを話す,
誰であれ、これを知る人は,
無執着と共に、静かに成る。
6.
真の師は,冷静に考え,
すべてはひとつだと見なす。
かれは物事の本性を,理解したのだ。
かれは再び生まれ変わることはない。
7.
変化する物事の中に
それらの純粋な姿だけを見なさい。
自己の本性の内にとどまりなさい。
あなた自身を解き放ちなさい。
8.
世界はただ偽りの印象に集まりに過ぎない。
あきらめなさい。
幻を手放しなさい。
世界を手放しなさい。
そして自由に生きるのだ。
10/欲望.
1.
富や快楽を切望し,
その為に競い合う,
それらはあなたの敵なのだ。
美徳を持って現れ、
貴方を破壊しようとする。
すべてを明け渡しなさい。
何一つ、掴んではならない。
2、
あらゆる幸運
妻や友や家や土地。
贈り物や富といったものすべて・・・・・。
それらはひとつの夢
手品師の芸
旅回りのショーでしかない!
2.3日もすれば消え去ってしまう。
3.
よく考えてみなさい。
何処であれ、欲望があるところには,
世界が有る。
確固たる無執着で,
あなた自身を欲望から解き放ちなさい。
そして幸福を見いだしなさい。
4.
あなたを縛り付けるのは他でもない,
只欲望だけだ。
それを破壊すれば、あなたは自由だ。
世界に背を向け,
あなた自身を満たし,
限りない幸福を見いだしなさい。
5.
なたは一なるもの。
純粋な気づき。
世界は実在ではない。
それは冷たくて生命を持たない。
無知もまた実在ではない。
ならば、いったい何を知りたいというのか?
6.
幾生にもわたって
幾つもの異なった身体を通じて,
さまざまな快楽に,
あなたは身を任せてきた,
息子や王国や妻達,
結局はすべてを失うのもかかわらず・・・。
7.
快楽の追求はもう沢山,
富も美徳ももうたくさんだ!
世界という暗い森の中で、
それらがいったいどんな心や平和を,
あなたに齎すというのか?
8.
幾生にもわたって
あなたは骨の折れる仕事にコツコツと精を出し,
身体と心と言葉を苦しめ,
押さえつけてきた,
もう充分だ,
やめなさい,
今!!
11/静寂.
1.
すべての物事は立ち現れ,
苦しみは移り変わり,
過ぎ去っていく,
これが本来のありようなのだ。
それに気づけば,
何も貴方をかき乱すものはない。
何もあなたを傷つけるものはない。
あなたは静かになる。
それは容易い。
2.
神がすべてを創られた。
ただ神だけが存在する。
それに気づけば,
欲望は溶け去る。
何にもしがみつくことはなく
あなたは静かに成る。
3.
遅かれ早かれ,
幸運や不運は,
あなたに現れる。
それに気づけば
あなたは何一つ望まず
何一つ嘆くこともない。
感覚を鎮めて、
貴方は幸せだ。
4.
何をしようとも,
喜びや悲しみ,
生や死はやってくる。
それに気づけば、
あなたは執着なく,
自由に振る舞う。
一体、達成しなければ,
ならないような
何があるというのか?
5.
すべての悲しみは恐れからやってくる,
それ以外には有り得ない。
それに気づけば,
あなたは自由だ。
そして欲望は溶け去る。
あなたは幸せに,
そして静かに成る。
6.
「私は身体ではない,
身体は私ではない,
私は気づきそのもの」
それに気づけば,
成し遂げたことや,
成し遂げられなかったこと,
といった想いは消え去る。
あなたは一なるもの。
完全で分割不能なものになる。
7.
「ブラフマー神から草の葉にいたるまで
全てのものの中に私は在る」
それに気づけば,
成功や失敗といった想いや,
気まぐれな心は消え去る。
あなたは純粋。
あなたは静寂そのもの。
8.
世界とそのすべての不思議も,
無に等しい。
それに気づけば,
欲望は溶け去る。
あなたは気づきそのものだから。
何も存在していない。
ハートでそれに気づけば,
あなたは静かだ。
12/成就。
1.
はじめに行為を放棄し,
それから無駄な言葉を,
そして最後には思考そのものを捨て去り,
今、私は、ここに在る。
2.
散漫な心を晴らし,
一心不乱に,
音やすべての感覚を締め出す,
そして、わたしはここに在る。
3.
瞑想が必要となるのは,
偽りの想像によって心が乱されたときだけ,
これを知って,
私はここに在る。
4.
喜びも悲しみもなく,
掴むものも拒むものも無い,
ああ、師よ。
私はここに在る。
5.
人生の四住期を,
守ろうと無視しようと,
それが何だというのか?
瞑想,
こころの制御,
それらはただの気晴らしに過ぎない。
今、私はここに在る。
6.
行為あるいは無為,
どちらも無知から起こる。
これを悟って,
わたしはここに在る。
7.
思考の彼方なるものについて,考えることは,
いまだに考えでしかない。
私は思考を手放した。
そして、私はここに在る。
8.
誰であれ
これを満たした人は,
自己の本性を満たした。
本当に満たされて人だ。
13/幸福。
1.
無所有によって得られる,
自由に満ち足りた境地に,
達する人は稀だ。
私は何も受けとらず,
何も拒まない。
そして私は幸せだ。
2.
身体は震え,
舌は回らず,
心は疲れ果てる。
それらすべてを捨て去り,
人生の至高の目的(真我)の内に私は住まう。
幸福に。
3.
私は何も為ないと言うことを知りながら,
何であれ、起こるに任せて行為する。
そして、私は幸せだ。
4.
身体に縛られて,
探求者は奮闘を続けたり,
静かに坐ったりする。
だが、私はもはやこの身体が,
私のものだとも,
私のものでないとも見なさない。
そして、私は幸せだ。
5.
眠っていても、坐っていても、歩いていても,
私には良いことも、悪いことも起こらない。
私は眠り、私は座り、私は歩く、
そして、私は幸せだ。
6.
努力をしようと休もうと,
得るものも失うものもない。
わたしは勝ち取る喜びや,
失う悲しみを手放した。
そして、私は幸せだ。
7.
快楽は,
来ては去って行く。
いったい何度その移り変わりを見てきたことか!
だが、わたしは、良いことも悪いことも手放した,
そして今、私は幸せだ。
14/愚か者
1.
私の心は,本来空,
眠りの中でさえ目覚めている。
私は考えることなく考える。
世界の印象は,
すべて消え去った。
2.
私の欲望は溶け去った。
金銭や感覚的欲望、
友人や知識や聖典のことなど
何を気にすることがあろうか?
3.
解放や束縛,
それがいったい何だというのだろうか?
なぜなら、私は、
神、無限の真我。
すべてを見守る観照者を知ったのだから。
4.
外見は愚か者、
内面では無心、
私は自由に生きる。
そして私のような者にしか
私の道は理解出来ない。
15/澄みきった気づきの空間、
1.
学んできた道が何であれ
心の澄んだ人は、
自己を実現するに至る。
世俗のもの達は,
一生掛けて求め続けながら,
未だに途方に暮れている。
2.
感覚に囚われなければ,
貴方は自由だ,
囚われれば,貴方は束縛される。
これを悟れば
あなたは思うままに生きる。
3.
これを悟れば,
利口でせわしく,
言葉巧みな人も,
静かになる。
彼はなにもしない。彼は静かだ。
この世の快楽にふけりたいもの達が,
これを理解したがらないのも無理はない!
4.
あなたは身体ではない,
身体はあなたではない。
あなたは行為者ではない。
それを楽しむ人でもない。
貴方は純粋な気づき
すべての物事を見守る観照者だ。
期待もせず,
自由だ。
何処へ行こうと,
幸せでありなさい。
5.
欲望や嫌悪は心のもの,
そして心はあなたのものではない。
貴方はその混乱から自由なのだ。
貴方は不変なる,
気づきそのもの。
何処へ行こうと,
幸せでありなさい。
6.
なぜなら、見るがいい!
真我は生きとし生けるものの中に存在し、
生きとし生けるものは真我の中に存在している。
知るが良い,
あなたは「私」からも,
「私のもの」からも,自由なのだ。
幸せでありなさい!
7.
世界は大海の波のように,
あなたのうちに沸き起こる。
それが真実だ。
貴方は気づきそのもの。
世界という熱病から,
貴方自身を解き放ちなさい。
8.
信じなさい。わが子よ、
信頼するが良い。
迷ってはならない。
なぜなら、あなたはすべてを超えた
全知のハート。
あなたは真我。
あなたは神なのだ。
9.
身体はその本来の性質に縛られている
それは現れ
しばらくの間、生きながらえ
消え去る。
だが、真我は来ることも去ることもない。
ならば、何故身体について嘆くのか?
10、
たとえ時が果てるまで、身体が生き延びようと
今日消え去ろうと
何を得、何を失うというのか?
あなたは純粋な気づきなのだ。
11.
あなたは果てしない海,
その中で世界は波のように,
沸き起こり、静まりかえる。
だから,
何を得ることも,
何を失うこともない。
12.
わが子よ、
貴方は純粋な気づき,
それに他ならない。
貴方と世界はひとつ。
ならば、どうしてそれに執着したり,
それを放棄できよう?
いったいどうして。
13.
あなたは純粋で静かな,
澄みきった気づきの空間
そこには誕生も
行為も
「私」もない。
あなたは一なるもの。
変化も死も有り得ない。
14.
見る者はすべてにあなたは存在している.
ただあなただけ。
腕輪や足輪や
揺れる足飾りが
みな同じ金で出来ているように。
15.
「私はこれではない」
「私は神だ」
そんな区別は捨て去るが良い.
すべてが真我なのだ。
あらゆる意図を手放しなさい。
そして幸せでありなさい。
16.
世界は,無知から生まれる。
ただ貴方だけが実在なのだ。
あなたから分離した人など誰もいない。
神でさえも。
17.
あなたは純粋な気づき。
世界はただの幻に過ぎない。
これを悟れば
欲望は消え去る。
あなたは平和を見いだしたのだ。
なぜなら、本当に、
何も存在しないのだから。
18.
存在の大海の中には
ただ一なるものだけがある。
今までも、これからも、
ただ一なるものだけが在る。
貴方は既に満たされているのだ。
そうして束縛されたり、
自由になったり出来るというのか?
何処へ行こうとも
幸せで在りなさい。
19.
決して肯定や否定に
心を乱されてはならない。
静かに成りなさい。
あなたは気づきそのもの。
自己の本性のまま.
幸福に生きるが良い.
あなたは幸福そのものなのだ。
考えることが一体何の役に立つというのか?
きっぱりと
瞑想など捨て去るがよい
何も心にとどめてはならない。
貴方は真我。
あなたは自由だ。
16/すべてを忘れなさい.
1.
わが子よ、
あなたは好きなだけ聖典を読みあさり
討論することに忙しいかも知れない.
だが、あなたがすべてを忘れ去るまでは
決してハートで生きることはないだろう。
2.
あなたは賢く
遊び、仕事をし、瞑想をする。
すべてを超え、すべての欲望が消え去る彼方を望んでいる。
3.
努力こそが、悲しみの根本原因なのだ。
だが、誰がこれを理解するというのだろう?
この教えを理解して祝福を受けるとき
始めて貴方は自由を見いだすだろう。
4.
真我より無精な人がいるだろうか?
瞬くひとつにさえ苦労する!
それでも、ただ彼だけが幸せな人なのだ。
ただ彼だけが!
5.
これを見て
あれを無視する・・
だが、心が、
ひとつのことを別のことに対立させる習慣をやめると、
それはもはや快楽を渇望せず、
富や、修行や、解脱のことなど
もはや気にしなくなる。
6.
感覚的快楽への渇望から
執着が生まれる、
それに価値がないと見なせば
あなたは無執着を学ぶ。
なが、なにも望まず、
そして、なにも拒絶しなければ、
執着も無執着もあなたを縛り付けはしない。
7.
識別無しに生きるとき、
欲望が生まれる。
欲望が付きまとえば
好き嫌いといった選り好みの感覚も生まれる。
それらは世界の根であり、枝なのだ。
8.
活動から欲望が、放棄から嫌悪が生まれる。
ところが、賢者は子供なのだ、
彼は決して
ひとつのことを別のことに対立させたりしない。
それは本当だ!
彼は子供なのだ。
9.
もしあなたが世界を望めば
悲しみを避けるために
世界を放棄しなければならないだろう。
その代わりに欲望を放棄しなさい!
そうすれば、あなたは悲しみからも自由になり、
世界があなたをかき乱すこともないだろう。
10.
もし、あなたが自由を望ながら
まだ「私のもの」と言い続け
自分を身体だと感じ続けるのなら.
あなたは賢者でも探求者でもない。
あなたはただの苦しむ人間だ。
11.
ハリ、蓮から生まれたブラフマー.
あるいはシヴァから学ぶが良い!
あなたがすべてを忘れ去るまでは
決してハートで生きることはないのだ。
17/すべてを超えて
1.
幸福で
純真で
友を愛する人は..
修練と智慧の実りを得る。
2.
真理を知る人は
世界の中にあっても
けっして不幸せではない。
なぜなら、彼だけが宇宙を満たすからだ。
3.
象がサラキの葉を好んで
ニームの葉を嫌うように、
自分自身を愛する人は
常に感覚を拒絶する。
4.
まだ体験していないことへの
欲望を捨て去った人を見つけるのは難しい.
世界を体験しながら
それに動かされずにいる人を
見受けるのも難しい。
5.
この世の中で
ある人は快楽を切望し
ある人は自由を求める。
だが、そのどちらも求めない人を
見つけるのは難しい。
彼は偉大な魂だ。
6.
富や快楽
義務や解脱
生や死・・・
それらを求めも避けもしない。
心を開いた人を見つけるのは難しい。
7.
彼は世界が消えようが続こうが.
構わない.
何が起ころうと.
彼は幸せに生きる。
なぜなら、彼は本当に祝福を受けたからだ。
8.
今、彼は理解し
満たされた。
彼の心は内に向かい。
満たされたのだ。
彼は見、彼は聞く。
彼は触れ、嗅ぎ、味わう。
そして彼は幸せだ。
9.
何をしようとも
彼は意図せずに行為する。
彼の感覚は静まり
彼の目は空っぽだ。
彼には欲望も嫌悪もない。
彼にとって世間での困難は
尽き果てたのだ!
10.
彼は眠らない.
目覚めてもいない。
彼の目は開くことも
閉じることもない。
どこにいようと.
彼はすべてを超え、
自由なのだ。
11.
自由な人は
いつもハートで生きている。
彼のハートはいつも澄みきっている。
何が起ころうと
彼は欲望から自由だ。
12.
何を見ようと、
何を聞こうと、
何に触れようと、
何を嗅ごうと、
何を味わおうと、
何を得ようと、
彼は自由だ。
彼に努力はいらない。
彼に静寂はいらない。
彼は実に偉大な魂だ。
13.
非難や賞賛
怒りも喜びも持たず
何を与えることもなく
何をとることもない
彼は何も
全くほしがらない。
14.
熱情に満ちた女.
あるいは死そのもの.
誰が彼に近づこうとも.
彼は揺るがない。
彼はハートにとどまる。
彼は本当に自由なのだ。
15.
男であれ、女であれ.
幸運であれ、不運であれ、
幸福であれ、不幸であれ、
彼にとっては同じ事.
何の違いもありはしない。
彼は穏やかだ。
16.
もはや世界は、彼を拘束できない。
人間の性という束縛の彼方へ.
彼は超えていった。
慈悲も.
敵愾心もなく、
誇りも謙遜もない。
何も彼をかき乱さず.
何も彼を驚かすことはない。
17.
彼は自由で
この世のものごとを
望むことも、軽んじることもない。
何が起ころうとも受け容れる。
彼の心は常に囚われない。
18.
彼の心は空っぽだ
瞑想することや
瞑想しないこと
善と悪の葛藤など、
彼にとってはどうでも良いこと。
彼はすべてを超えて
ひとり在る。
19.
「私」はなく.
「私のもの」もない.
彼はなにも存在しないことを知っている。
彼の内なる欲望はすべて消え去ったのだ。
何をしようと.
彼はなにもしていない。
20.
彼の心は最早機能しない!
それはただ溶け去ってしまった・・・
そして、それと共に.
夢も妄想も愚鈍さえも溶け去ったのだ。
そして彼がなったもの.
それに与える名前はない。
18/師.
1.
あなたの真我を愛しなさい。
その本性は幸福。
平和、そして輝き!!
本来の自己に目覚めなさい。
そうすれば、すべての無明は夢のように消え去る。
2.
世俗のものごとを蓄えることで.
いったいどれほどの喜びを得るというのか?
幸福を見いだしたいなら.
すべてを諦めなさい。
3.
義務感という苦悩が.
灼熱の太陽のように.
あなたのハートを焼き焦がした。
静寂の雨を浴びてごらん.
そのやさしく降り注ぐ静けさの中で.
あなたは幸福を見いだすだろう。
4.
世界とは無だ。
それは只の概念に過ぎない。
ただ存在と非存在の本質だけは
けっして消え去らない。
5.
真我はけっして変わらない。
常に満たされ
完全無欠で、選択や努力を要さない。
それは身近にあり.
しかも限りない。
6.
真我が知られれば.
妄想はすべて消え去る。
ヴェールが剥がされ
あなたはハッキリと見る。
貴方の悲しみは晴らされたのだ。
7.
真我は自由だ。
そして永遠に生きる。
それ以外は
すべて想像に過ぎない!
これを理解するゆえに
子供のように師はふるまう。
8.
貴方は神だ。
存在するものと、存在しないもの.
どちらも想像に過ぎない。
それを知って.
ついに欲望から自由になるとき.
いったい言うべき事や.
すれべきことが残されているだろうか?
9.
真我はすべてだ。
探求者がそれを知るとき、
彼は静かになる。
彼は最早
「私はこれだ、わたしはあれではない」
と考えることはない。
その様な想いは消え去ったのだ。
10.
彼は静かだ。
快楽も苦痛も.
混乱も集中も.
学習も無知もない。
11.
彼の本性は条件付けから自由だ。
勝とうと負けようと.
彼には何の違いもない。
森林深くに独り在ろうと、世間にあろうと.
天上の神であろうと、ただの乞食であろうと.
彼には何の違いもない!!
12.
彼は二元.性に縛られない。
富や快楽.
義務や識別も.
彼には意味のないこと。
何を成し遂げようと.
成し遂げまいと.
気にしない。
13.
この生で、自由を見いだした探求者は
義務も欲望もハートにとどめない。
かれには何もすることがない。
ただあるがままに生きるだけ。
14.
師は欲望という境界を越えて生きる。
妄想、はたまた世界.
真理への瞑想.
解脱そのもの.
それが彼にとって何だというのだろう?
15.
あなたは世界を見る.
だから
それを消し去ろうとする。
だが、師にはそんな必要がない。
欲望がないからだ。
彼は見ているが.
何も見ないのだ。
16.
神を見たとき.
あなたは神に瞑想する。
「私は神だ」といいながら。
だが、あなたに想念が無いとき.
二、というものはなく.
ただ一なるものだけが存在することを理解する。
17.
心が迷い混乱したとき.
あなたは精神集中を修練する。
だが、師がかき乱されることはない。
彼には達成するべき事がない。
いったい成就しなければならないような
何が残されているというのだろう?
18.
彼は普通の人のようにふるまう.
だが、内側ではまったく、異なっている。
彼は自己の内に.
如何なる欠点も.
如何なる混乱も.
瞑想の必要性も見ない。
19.
彼は目覚め.
満たされ.
欲望から解き放たれている。
彼は存在するわけでも.
存在しないわけでもない。
彼はいつも動いているように見える。
だが、彼は何も為ていないのである。
20.
奮闘していようと、静かにしていようと
彼は決して乱されない。
何である起こるに任せ.
自由に振る舞う.
そして彼は幸せだ。
21.
彼には欲望がない。
彼は鎖を解き放って
雲の上を歩く。
風に舞う木の葉のように.
生から生へと.
自由に舞い踊る。
22.
彼は世界の彼方へと消え去った。
喜びや悲しみを超えて。
彼の心はいつもさわやか.
あたかも身体がないように生きる。
23.
彼の心は清らか。
真我の歓喜の中に在る。
彼には放棄したいものがなく
欠けているものも無い。
24、
彼の心は本来空.
彼はあるがままに生きる。
彼は普通の人ではない。
賞賛や非難は、彼には何の意味もない。
25.
「これをするのは身体であって、私ではない」
「私の本性は純粋だ」
この想いを胸に.
何をしようと.
彼は何も為ていない。
26.
だが、彼は知らぬ振りをする。
かれはこの生で自由を見いだした。
だが、彼は普通の人のようにふるまう。
それでも、彼は愚かではない。
幸せに輝き.
世界を楽しむ。
27.
気まぐれな心に疲れ果て.
ついに彼は落ち着いた。
彼は知ることも考えることもなく.
聞くことも見ることもない。
28.
彼は心乱されず.
瞑想もしない。
束縛されることもなく.
自由も求めない。
彼は世界を見るが.
それが幻であることを知っている。
彼は神のように生きる。
29.
たとえ静かにしていても.
利己的な人の心はせわしい。
たとえ忙しくしていても.
無私無欲の人は静かだ。
30.
彼は自由だ
彼の心は困難や快楽に揺るがない。
行為や欲望や疑いから解放され.
彼は静かに輝く!!
31.
彼の心は
瞑想や行為のために努力しない。
彼の心は.
意図せず瞑想し行為する。
32.
愚か者が真理を耳にすると混乱する。
賢い人がそれを聴くと.
内側に向かう。
彼は愚か者のように見える.
だが、彼は混乱しない。
33.
愚か者は
心の制御と集中を修練する。
だが、師は眠る人のように.
自己の内側に安らぎ.
それ以上何もすることはないと知っている。
34.
努力しようと静かにしていようと.
愚か者が平和を見いだすことはない。
だが、師は.
ただ、ものごとをあるがままに知って.
平和を見いだす。
35.
この世で
人はあらゆる道を探り続ける.
だが、彼らは
愛すべき真我を見逃してしまう。
目覚めていて、純粋で.
完全で、満ち足りた
世界を超えた愛すべき真我を。
36.
愚か者は集中を修練しても
けっして自由を見いだせないだろう。
だが師は.しくじることは決してない。
ただ、ものごとをあるがままに知っているから
彼は自由でいて揺るぎない。
37.
愚か者は神のなりたいと願うため.
けっして神を見いだせない。
師が神になりたいと願うことはない。
彼は既に神なのだ。
38.
愚か者は根拠なく
自由を求めて苛立ち.
世界をきりきり舞いさせるだけ。
だが師はすべての苦しみの根を断ち切る。
39.
愚か者は平和を探そうとするため
それを見いだせずにいる。
だが、師は常に平和だ。
なぜなら
ものごとをあるがままにしっているから。
40.
世界に注意を払っていたら
そうして自分自身を見ることが出来よう?
師はあれこれによって心乱されない。
彼は自分自身を見る。
不変の真我を。
41.
愚か者は心を制御しようと必死だ。
いったいどうしてそれが可能だろう?
賢く、自己を愛する人に.
それは自然に起こるのだ。
42.
ある人は存在を信じ.
またある人は「何も信じない」という.
そのどちらも信じない人は稀だ。
彼は混乱することがない。
43.
愚か者は
真我が純粋で分離不可能だと
知っているかも知れない。
だが愚かさゆえ
けっしてそれを見いだせない
彼は一生悩み続ける。
44.
自由を求める人の心は
支えもなくつまづく.
だが、既に自由となった人の心は.
自らの足で立ち
熱情に溺れる事がない。
45.
感覚は虎だ
臆病な人は虎を見ると
一目散に近くの洞窟へと逃げ出し.
集中や瞑想を修練する。
46.
だが、無欲の人はライオンだ。
出くわしたとたんに逃げ出すのは.
感覚のほう!
まるで象のように.
こっそりと走り去る.
逃げ切れなかったときは.
奴隷のように彼に仕えるのだ。
47.
疑いを持たず
真我とひとつになった人の心は
もはや自由を求めない。
彼は
見、聞き
触れ、嗅ぎ、味わいながら
この世で幸せに暮らす。
48.
ただ真理を聞いただけで
彼の心は無限に開かれる.
その気づきは純粋そのもの.
彼は自分が無関心でいることにさえ.
無関心だ。
49.
師は子供のようだ.
良いことも悪いことも
何であれ、起こるに任せてふるまう。
50.
自分の足で立つことで
人は幸福を見いだす
自分の足でたつことで彼は世界を超える.
自分の足で立つことで彼は究極にたどりつく.
51.
真我を実現するとき.
人は行為者でも.
それを楽しむものでもない.
彼の心のさざ波は静まったのだ.
52.
師の道は束縛がなく.
はかりごともない.
彼は輝く
だが、愚か者に
平和はない
その心は欲望で渦巻いている,
53.
師はマインドから解放された,
彼の心は自由だ,
この自由の中で彼は遊び,
素晴らしい時を過ごす!
時には
山奥の洞窟に隠れて暮らす。
54.
王様であれ女性であれ
あるいは親愛なる人と出会っても,
師はなにも欲しない。
神や聖地や
聖典に精通した人を讃えたとしても,
彼のハートには何の願望もない。
まったくといってないのだ!
55.
彼は心乱されない,
たとえ召使いが彼を見下したとしても,
あるいは妻や息子や孫が,
彼をあざ笑ったとしても,
たとえ家族全員が彼を馬鹿にしたとしても
動じない。
56.
彼にとって苦痛は苦痛ではなく,
快楽は快楽ではない,
ただ彼のような人だけが
その崇高な精神を知っている。
57.
彼には姿形がない,
彼の姿は空なのだ,
彼は不変で純粋だ,
彼には人を世間に縛り付ける,
義務という感覚がない。
58.
師は義務を果たしながらも
けっして煩わされない。
愚か者は勤めを怠りながらも
心乱され、落ち着かない。
59.
師は為すべき事を
完全な平静さを持って行う。
坐るとき、彼は幸せだ。
話し、食べるとき、彼は幸せだ。
眠るときも幸せだ。
来るときも去るときも、幸せだ。
60.
彼は自己の本性を知っている。
だから普通の人のように苛立つこともなく
するべき事を成し遂げる。
広大な湖の水面のように.
穏やかに輝いている。
彼の悲しみは終わったのだ。
61.
愚か者の心は
静かにしていても忙しい。
師は忙しくしていても.
静寂の実りを得る。
62.
愚か者はしばしば所有物を放棄したりする。
師はもはや身体に
執着しない,
一体どうして,
彼が魅力や嫌悪を感じるというのだろう?
63.
愚か者の気づきは、
考えることや考えないようにすることで
いつも狭く限られている。
内なる生を生きる人の気づきは
たとえ忙しく考えているように見えても
気づきそのものを超えている。
64.
師は子供のように,
その行為には何の動機もない,
彼は純粋だ,
何をしようとも、超然と見守っている。
65.
彼は祝福を受けたのだ,
真我の本性を理解し
もはや心は渇望しない。
彼は何を見ようと、聞こうと,
嗅ごうと、触れようと、味わおうと
どんな状況でも変わらない。
66.
師は大空のよう,
けっして変わることがない,
世界やその反映が
それが彼にとって何の意味があるというのか?
67.
彼はいつも変わらない,
勝利は彼のもの。
彼は世界を征服したのだ。
彼は本来無限なるもの。
自己の完全なる本質そのもの。
68.
これ以上何を言うことがあろう?
彼は真理を知り,
もはや快楽も解脱も望まない。
いつであれ、どこであれ、
彼は情熱から自由なのだ。
69.
心と共に現れる二元性の世界を
彼は棄て去った。
それはただの名前でしかない。
彼は純粋な気づきだ。
為すべき事は最早ない。
70.
純粋な人は何も存在しないことを知っている。
それはみな幻影のしわざ。
彼は目に見えないものを見ている。
その本性は平和だ。
71.
彼は世界という現れを見ない・
規則や無執着,
放棄や自己制御。
それが彼にとって何だというのだろうか?
彼の姿は純粋に輝く光なのだ。
72.
彼は世界見ない。
喜びや悲しみ,
束縛や解脱,
それが彼にとってなんだというのだろう?
彼は限りなく輝いている。
73.
理解が起こる前は
世界という幻影が支配している。
だが、師は情熱から自由だ。
彼には「私」も,
「私のもの」もない。
そして彼は輝く!!
74.
彼は真我が苦しむことも
死ぬこともないと知っている。
だから知識や世界のことは気に掛けない。
「私は身体だ」や「身体は私のものだ」
という感覚も持たない。
75.
愚か者は
精神集中や霊的修練を諦めるやいなや
空想や欲望の虜になる。
76.
真理を耳にした後でさえ
愚か者は愚かな考えにしがみつく
彼は必死になって
平静と落ち着きを保とうとする。
だが、彼の内面は欲望で渦巻いている。
77.
真理が理解されたとき、
仕事は消え去る。
他のもの達の目には
師は仕事をしている様に映る。
だが、実際、彼は話しているわけでも
何かをしているわけでもない。
78.
彼には恐れがない。
彼は常に変わらない。
彼には何も失うものがない。
かれにとって暗闇はなく、
光もない。
全く何も存在しないのだ。
79.
彼には自分自身という存在がない。
彼の本性を描写することはできない。
忍耐や識別や勇気
それが彼にとって何だというのだろう?
80.
師の目には
何も存在しない。
天国もなければ
地獄もない。
解脱などというものもありはしないのだ。
これ以上何が言えよう。
81.
彼は何も得ることを期待しない。
何も失うことを恐れない。
彼の心は落ち着き
甘露の雨を浴びている。
82.
彼は欲望から自由で
心の平和な人を褒めることもなく
心の邪悪な人を責めることもない。
喜びにも悲しみにも変わらず幸せだ。
何も為すべき事はないと知っているのだ。
83.
彼は世界を憎まない。
真我を求めない。
彼は喜びや悲しみから解放された。
彼は生きていない。
そして、死んでもいない。
84.
彼には家族への執着がない。
欲望や感覚から解き放たれ
身体のことを心配しない。
師は何も期待せず
ただ輝く。
85.
何が起ころうとも
彼はいつも幸せだ。
彼は風の向くままにさまよう。
どこにいようと
日が暮れたときにいるところが
彼の眠る場所だ。
86.
身体が生きようと死のうとかまいはしない
彼は自己の存在の中に確立し
生と死の輪廻を超えたのだ。
87.
彼は喜びに満ちている。
何事にも執着せず
所有せず
自立している。
彼の疑問は晴れた。
彼はひとつのことを別のことに対立させることなく
思うがままに生きる。
88.
師は輝く。
彼はけっして「私のもの」とは言わない。
金も石も土も-
彼にとってはみな同じ。
怠惰に浸ることも
活動に夢中になることもない。
彼はハートの軛を断ち切ったのだ。
89.
彼に並ぶ者がどこにいよう
何も気に掛けず
幸福で自由な人
その心には欲望の欠片もない。
90.
ただ無欲の人だけが
見ること無しに見
話すことなく話し
知ること無く知る
91.
彼の目には
善と悪の違いは溶け去った
王様であろうと
乞食であろうと
無欲の人だけが輝くのだ!
92.
彼にはまったく邪心がない
彼は道を見いだしたのだ
彼は純真そのもの
自制することも
自由奔放にすることも
気に掛けない
真理を求めることにさえ
まったく関心がない。
93.
彼は無欲で
真我のうちに幸せに安らぐ
悲しみは終わりを告げた
彼が何を感じているのか誰が知ろう?
94.
たとえ、ぐっすり眠っているときでさえ
彼は眠っていない。
たとえ、夢を見ているときでさえ
彼は夢を見ていない。
たとえ、目覚めているときでさえ
彼は目覚めていない。
何であれ起こるに任せて
彼は幸せだ。
95.
彼は考えることなく考え
感じる事なく感じる。
彼は聡明だが
心を持たない。
彼には人格があるが
自分という考えがない。
96.
彼は幸せでもなく不幸せでもない。
冷淡ではなく、とらわれてもいない。
自由ではなく自由を求めてもいない。
彼はこれでもなくあれでもない。
97.
混乱のさなかでも
彼は乱されない。
瞑想のさなかでも
瞑想していない。
愚かしいが愚かではない。
すべてを知っているが何も知らない。
98.
彼は常に内なる生を生きている。
彼はどこにいても同じだ。
行為や義務は
彼には何の意味も持たない。
無欲ゆえに
為してきたことや為しえなかったことを
気にかけることがない。
99.
非難が彼を当惑させることはなく
賞賛が彼を有頂天にさせることもない
人生を楽しむことも
死を恐れることもない。
100.
彼の心は静かだ。
森林に孤独を求めることも
群衆から逃げ出すこともない。
いつであれ、何処であれ
彼は一なるものとしてとどまる。
19/自己の輝き
1.
真理の刺抜きで
私はハートの暗い片隅に潜む
たくさんの批判の刺を抜き取った。
2.
私は自己の輝きの内にとどまる。
富や快楽
義務や識別
二元性や非二元性
それが何だというのだろう?
3.
昨日とは
明日とは
そして今日とは何か?
空間とは
永遠とは何か?
私は自己の輝きの内にとどまる。
4.
真我とは
非真我とは何か?
善あるいは悪とはなにか?
私は自己の輝きの内にとどまる。
5.
私は自己の輝きの内にとどまる
私には恐れがない
歩くこと
夢見ること
眠ることそれがなんだというのだろう?
たとえ恍惚境でさえも?
6.
遠いことや近いこと
外側や内側
粗雑なことや繊細なこと
それが何だというのだろう?
私は自己の輝きの内にとどまる。
7.
心を溶かし去ること
あるいは最高の瞑想
世界やそのあらゆる業
生や死
それが何だというのだろう?
私は自己の輝きの内にとどまる。
8.
何故智慧や
人生の三つの目的や
ヨーガや真理の知識について語るのか?
一体何のために語るのか1
今、私はハートで生きる。
20/私はシヴァ
1.
私は満たされた
自然界の構成元素
身体や感覚
あるいは心それらが私にとって何だというのだろうか?
虚空や絶望とは一体何か?
2.
聖典や真我の知識
あるいは
感覚から自由になった心とは
一体何か?
幸福や欲望からの自由とは何か?
私は常に二のない一なるもの。
3.
知識や無知
解放や束縛
それらは何か?
「私」とは何か?
あるいは「私のもの」とは?
あるいは「これ」とは?
あるいは真我の本当の姿とは?
4.
私は常に一なるもの
生きながらの解脱
死んでからの解脱
あるいは現世のカルマなど
何を気にするというのだろう?
5.
私は常に
「私」なしに在る。
だから、行為する者や、それを楽しむ者が
どこにいるというのだろうか?
現れては消え去る
想念とは何か?
不可視の世界や
可視の世界とは何か?
6.
ハートの中で私は一つ
この世界とは何か?
自由、知識
一なるものを探し求めている者は誰なのか?
誰が束縛され
誰が自由だというのか?
7.
ハートの中で私は一つ
創造や崩壊とは何か?
探求や探求の終焉とは何か?
探求者とは誰か?
彼は何を見いだしたというのか?
8.
私は永遠に純粋だ
誰が知り
何を知り
どうやって知ったのかな等
何を気にするというのだろうか?
存在するものやしないものについて
何を気にするというのだろうか?
9.
私は永遠に静かだ
喜びや悲しみ
混乱や集中
理解や妄想とは何か?
10、
私には思考がない。
幸福や災難とは何か?
ここ、そして今
あるいは彼方なるものとは何か?
11.
私は永遠に純粋だ、
幻想
あるいは世界とは何か?
小さな魂、
あるいは神とは何か・
12.
二のない、一なるもの、
私は常に変わらない
ハートの内に、私はとどまる。
13.
努力や静寂のために
何が必要だというのか?
自由あるいは束縛とは何か?
聖典あるいは教えとは?
人生の目的とは何か?
弟子とは
そして師とは誰か?
14.
私に現界はない。
私はシヴァ、
私からは何も現れない。
私の中には一も二もない。
何も存在せず。
無も存在しない。
これ以上何を言うことがあろう?
彼が揺らぐとことはな