純粋精神によって手も足も、身体も動いているのです。
人は身体が動いているのだ言いますが、
しかし、あのお方（神）が動かしておられるのを知ら
ないのです。･･ラーマクリシュナ
私の感想
老子やシャンカラやラマナ・マハリシやクリシュナムルティーなどの
アドヴァイタの方々は私達は思考に依って束縛されていて自我・思考
の記憶という神のロボットと一体化してしまって自由がないと説いています。
しかし、まともで真面目で世の中に寄与する多くの宗教では私達には自由
がありその自由を使って私達は正しい行為をしなさいと教え導いています。
そしてその自由を行使して世の中に愛を注ぎ、世界に平和と進化を齎し
人々の幸福と繁栄に貢献しようとします。
果たして本当にこの私達は自由であるのか？それとも私達は自由ではないのか？
アドヴァイタの教えと、まともな宗教の考え方はこのように「私達には自由が有る」
のかそれとも私達には可能性としての自由はあるのだが、現況では「自由はない」
のかと言う点に於いて両者は異なっています。
この違いはそれぞれの教えの立っている観点の相違であり、また教えら
れる側の意識の発達段階に対しての違いであると思われます。
確かにもし思考（自我）の束縛から解放されていて私達がすでに時間空間
や自他の分離という誤った認識形式から自由であるのならば、自由を
行使することが出来るでありましょう。
しかしながら私達人類は本当にこの虚偽である「自他の分離」や条件付けられて
しまっている脳による「時間や空間といった認識形式」から自由なのであり
ましょうか？確かにそうであるならば私達は自由であることでしょうが・・。
私も含め地球人類がこの「自他は分離しているという思考の虚偽」に
気づくことのない現状に於いては、また実際の
現在の地球人類の平均的な発達段階では「私たちは自由であり、正しく
行為しなさい」という教えの方がアドヴァイタの教えより分かり易いこと
でありましょう。また私のように思考の停止も経験したこともなく、毎日
を記憶の回転の中でだけで動いていて「自分が行為しているとの虚偽の
実感」の中に生きている者にとってはアドヴァイタの教えは高次すぎて
馴染めません。
しかしながらもし私達が本当に思考（虚偽）からの解放と、自我か
らの自由を求め自己を凝視するのなら、残念なことに私達とは自我に
束縛されており、そこには自由の余地がありません。
ラーマクリシュナは言います
ブラフマンの智者は、内も外もすべてが実は、最高我・パラマートマー
であることを見ます。
水が二つに別れて見えているだけです。
内部と外部という感じがするだけです。
「私」という瓶があれば、そのような内と外という二つを見ている意
識になってしまうのです。
その「私というもの」が、もし消え去れば、そうすれば、あるものが
あるだけです。
人は純粋精神によって動いているのです。
その純粋精神によって、非精神的物質に至るまで精神（有実在・叡智）
になっているのです。
その純粋精神によって手も足も、身体も動いているのです。
人は身体が動いているのだ言いますが、
しかし
あのお方（神）が動かしておられるのを知らないのです。
います、
しかし、内部にあの純粋精神であるものが有るということを考えません。
この自我・私とは、あのお方の遊び、
あのお方の遊技です。