何であれこの身体がすること、この身体が通り抜ける体験は、 その身体が存在を顕したときに既に決定されているのである・・ラマナ・マハリシ

ラマナ・マハリシは語る・・

身体はプラーラプダによって宿命づけられた、避け

ることの出来ない行為を通り抜けていくだろう。

（注：プラーラブダ　前世で作られたカルマのうち、今生での自分

を形成するに至ったもの。所謂DNAなどのこと。）

何であれこの身体がすること、この身体が通り抜ける

体験は、その身体が存在を顕したときに既に決定され

ているのである。

 人が出来る唯一の自由とは努力をしてジニャーナ

（無明を晴らす智慧・知識）を得ることである。

 それが彼と身体との同一化を絶ちきる。

 身体はプラーラプダによって宿命づけられた、避ける

ことの出来ない行為を通り抜けていくだろう。

 人は身体と彼自身を同一視し、その身体の行為の報

いに執着するか、

 あるいは

 それから離れ、身体の活動の単なる目撃者となるか

という選択の自由だけをもっているのである。

自由意志というものは存在するのでしょうか

行為者であるという感覚が有る限りは、それを楽し

む感覚と自由意志の感覚は存在するだろう。

だがもしこの感覚がヴィチャーラ（真我探求）の修練

によって失われたなら、聖なる神の意志が働いて、出

来事の流れを導いてくれるだろう、ジニャーナによって

運命は克服される。

真我の知識は自由意志も運命も超えているからである。

私の感想

私達は何ら疑うことなく自分の人生は自分が自由意志で考え、思

い、感じて行為しており、私達は自分の選択で行為し自分の人生

を切り開いているのだと誰もがそのように実感しています。

しかしラマナ・マハリシは私達は肉体と結合し、その結果として

自分を肉体と同一視し、脳・肉体に起こっている思考や知覚や行為を

「自分が思考し、自分の自由意志で行為している」と錯覚している

と言うのです。行為と思考は起こっているのであると言うのです。

私達はなぜその様に錯覚してしまっているのかといえば、それは私

達は肉体に結合した「魂と繋がる私・観照者」であるのに、肉体・脳

と繋がって結合したために、肉体・脳に起こっている行為や思考、

感情、欲望、知覚と一体化してしまっているというのであります。

しかも、私達は意識という観照者であるのに、意識を覆うその錯覚

（記憶・思考）と混じりあって自分である意識と自分ではない思考

の区別が付かなくなっており、正しく見ることが出来なくなってい

る為であると言われているのでありましょう。

私達は観照者でありましょう。

生死を観照し、失敗と成功を観照し、健康と病気を観照し、善悪を

分離せず、自我を観照し、思考と感情と欲望と起こっている出来事

と同一化せずに見ている観照者であるのだと仰っているのでありま

しょう。

出来事や思考や感情や行為も、そして自分が自分の自由意志で

選択することも、あらゆる起こる事や出会いや運命、些細な仕草

など私達の肉体と思考と感情と行為と出来事は全てはプラーラブダ

（前世で作られたカルマのうち、今生での自分を形成するに至

ったもの）に基づいて完璧に一瞬の狂いもなく起こっているとい

うのです。

私達の自由意志やあらゆる選択や行為や知覚認識などの一切は

誕生以前に既に決定されているので、私達は超努力で真我探求し、

それらの起こっている出来事や行為や思考や感情や選択や自由意志

の観照者としての真の自己を常に想起しない限りは自由意志や運命

・カルマを超えることは出来ないということなのでありましょうか。

即ち、その自由意志や運命やカルマを超える為の自己想起、そ

の真我探求、超努力こそが起こってる自由意志や運命やカルマ

と同様に神聖なる実在から起こっていることである。

と言っておられるのでもありましょうか。

この一切万物と分離していると固く信じている私達もそれを

超えていく私達も等しく神の演技であり、すべての一切は神

の中にあると教えておられるのでありましょうか？

無知無明も覚醒も、私もあなたも、悪人も善人も、虚偽も真

実も、見る者も見られるものも一切は神の中にあるというの

でしょうか？

神以外には何ものも存在していないと仰っておられるので

ありましょうか