私達は高次の本物の教えに触れて、あたかも自分がそのレベルにいて

理解しているような錯覚を抱いてしまいますが、これは大いに危険です。


悟った高次の段階にある覚者達の言葉を聞いて、その気になってしまいますが

実際の自分のいる段階とは、頭だけで情報や知識として知っている段階で

あって、それはそれを教え説いている覚者のいる段階とは全く別なのです。

単に頭で知識で知っている・・という状態は・・実際にはその本物の教えの誤解

なのです。思考では思考を超えている意識の内容は全く分からないのです。


私達が一歩一歩確実に進むためには、実際に知覚が拡大し、利己心の

ない人格、愛情溢れている人格が必須であり、そのための実習が欠かせません。


実習に当たっては、自分の段階にあった教えが必要であるということです。

正しい知性と、正直で謙虚で素直な人格がまず必要なのです。



最高度のトリプルAの教えは通常の意識状態では「全く理解」は出来ないのですから。

自分で分かったと思っている状態とは単に・・・思考で(頭で)記憶している状

態・・・なのであり、即ちそれは誤解に他ならない・・ことを、充分に認識しなけれ

ばなりません。


不二一元の高度の教え「行為者はいない行為が起こっているだけだ」「思考者はいな

思考が起こっているだけだ」などとは悟りを開いた覚者の究極の目から見ている実

相であり

一般の私達の段階ではそれを理解することは出来ないのである・・ということを知ら

なければ一歩も前へと進むことが出来ないことを知らねばなりません。



『自分が行為しているという実感が残っている限りは、・・行為は起こっている・・

・全ては完全完璧で神である・・・などという高次の知覚はありません・・・

それは単に思考で、頭でそう思っているだけです,その段階にいる限りは、どのように

思考し、どのように行為するのかが一番重要になります

と言われております。



この久保栄治を含めて通常の五感しか使えない知覚段階にいる私達にとっては、この

現在の人格こそが最重要なのです。この現在意識、この表面意識とは濁った水の様で

が、それでも水は水なのです。神を映し出す事の出来る神の子なのです

この人格の状態こそが前に進むために問題なのです。上記の高次の目からの教えではな

くて「正しく思考し、正しく行為し、感謝し、万物を愛すること」という教えが必要な

のであります。


トリプルAの教えは私達にとっては「豚に真珠」であるというよりも、本を読んだりし

て理解し、知ったつもりになってしまうという最悪の状態に陥る危険性すらあるから

です。


幼い子供がスーパーマンの映画を見て自分がスーパーマンになったつもりになり、高

いビルから飛び降りたりするような危険性を孕んでいるからです。


ですから

現在の地球人類の段階・・勿論私も含めて・・に於いては

行為と思考を重要視し、いかに行うか、いかにあるべきか、いかに思考するのかという

こと・・『正しく思考し、正しく行為し、正しく話す』という事が最重要であり、その

ような教えが適しています。


それ故に全てを愛し、全てに感謝するという肯定的に実践することがこの段階の私達に

は適しているのです。


黒住直忠は言われます「夫れ人の心は天照御祖の神の御分心にして我の心に

あらず

人の心を傷むるとは天の心を傷めるなり、人の心を育てるとは天の心を育

てるなり」